カードローンに限らず、どのような金融取引でも、利用開始は契約後になります。このため審査用に年収証明書を送付しても、いつから利用出来るかは金融機関の手順次第という事です。
通常金融機関では年収証明書の送付は利用希望額が一定額以内の場合には必要なく審査での確認はありません。
しかし一定額を超える場合には何らかの方法で送付する必要が有り、送付時期は申込み情報を送る時点で同時に添付する場合と、仮審査などの一部審査を終えた後、別途送付する場合などに分かれます。
書類の送付方法によっては時間が必要になるため、急ぎで利用を開始したい場合は、予め送付方法について確認しておく必要が有ります。
契約後でなければ使えない!申込み前に確認が必要
カードローンの審査では年収証明書の送付が必要と言われますが、送付後いつから利用ができるのかは実は金融機関によって違います。
まずそもそも年収証明書を送ったからと言って必ず審査に通るとは言えませんから、審査を通過するまでの時間が必要です。さらに審査が通過しただけではまだ使えず、金融取引では必ず契約を交わす必要が有ります。
契約の方法は、ネット社会に対応してオンラインで行う場合も有りますが、郵送による場合や、窓口までいかなければならない場合も有り、急ぎの場合は、申し込みの前にそういった点についても確認が必要です。
また審査が終了しても、利用方法としてATMを使う事を想定している場合にはローン用のカードの受け渡しの時間も考慮が必要です。
ローンというものは契約が終了して初めて成立します
ローンを利用してお金を借りる場合、どの時点で実際にお金が利用者に渡されるかと言うと、契約が終了した時点です。よく審査が終了すれば借りられると考えている人がいますが、若干意味合いが違います。
カードローンを例に説明すると、次のような手順で進んでいきます。
- 申し込み
- 審査
- 契約
年収証明書を利用するのは審査時ですから、審査時間には影響しますが、これを送ったからすぐに利用できるという事にはなりません。
金融取引に限りませんが、何らかの約束をする場合、どのような内容の合意があったかを明記し、契約書を取り交わして初めて約束が履行されることになります。
カードローンも同じで、スタンスとしては審査が終了して融資できますがどうしますかという形で利用者側に契約条件を示し、両者が同意してから利用可能になるわけです。
事例としては少ないですが、審査が通過してもこの時点で条件が気に入らず契約を拒否する場合も有るのです。
契約方法はさまざまで時間がかかる場合も有り予め確認しておくべき
契約の方法は基本的には書類を取り交わして、初めて成立するのですが、書類を取り交わすという事になると郵送の時間が入ることになるため大変時間がかかります。
現在では即日利用も可能な程度に技術が進歩しているのに、これは大変なネックと言って良いでしょう。このため各金融機関は様々な契約方法を提供してこれを補っています。
現在提供されている契約方法には次のようなものが有ります。
- 従来同様審査終了時点で郵送により契約書を取り交わす
- 審査終了の連絡の後、店舗に行って契約書を取り交わす
- インターネット上で同意の意志を示すことで契約成立として、後日契約書を郵送する
現在では3つ目のインターネット経由を利用して迅速に処理する所が増えていますが、地方の金融機関や小規模な金融機関では、まだまだ1番目や2番目の方法を取っているところも少なくありません。
したがってなるべく早く利用したいというのであれば、契約の方法がどういったものなのか予め調べておく必要が有るでしょう。
ATMでの利用の場合さらにカードの受け渡し時間の考慮が必要
また利用開始にはもう一つ大きな問題があります。それはカードの受け渡しです。
現在提供されているカードローンの利用方法は次の2つです。
- 振込依頼をして指定口座に振り込んでもらう
- ローン用のカードを利用してATMからお金を引き出す
このうち前者の場合には契約直後から利用ができます。しかし多くの人が利用する後者の場合には、契約後であってもカードを入手しなければ利用することができません。
契約書は同意するという意思の確認ができればよいのでインターネットの利用ができましたが、カードという物理的な形を持つものは郵送に頼らなければ送ることができません。
このため、金融機関では次のような対処をしています。
- カードの到着まで待ってもらう
- カードの到着までは振込依頼で利用してもらう
- 契約が完了したら自動契約機か店舗窓口でカードを受け取る
急ぎの利用の場合は郵送では無理ですから、結局2番目か3番目の方法で利用することになります。
もし即日利用を考えているのであれば、結局年収証明書などの必要書類持参で店舗に行って契約し、その場でカードを発行してもらうのが最も早いのかもしれませんね。
年収証明書が必要ない場合がある!面倒は無いが少額利用のみ
カードローンでは実際には年収証明が必要ない場合も有ります。例えば消費者金融の場合は、基本的には法的に50万円までの希望利用額であれば年収証明書は必要ありません。
銀行の場合には根拠になる法律が有りませんので、各銀行で金額が違いますが、多くは100万円まで年収証明書の提出の必要はありません。
ただし審査中に、他社の利用状況などから確認が必要と判断されれば審査途中であっても年収証明書の提出が求められる場合があるので、最初から自分は必要無いとたかをくくるのではなく準備だけはしておきましょう。
消費者金融は50万円までは基本的に必要なし
カードローンの申込みには年収証明書が必要と思っている人が多いかもしれませんが、実は多くの場合必要が有りません。これは利用希望額によって要不要が有るためです。
金融機関による年収証明書が不要な利用希望金額は次の通りです。
金融機関 | 金額 | 理由 |
---|---|---|
消費者金融 | 50万円以内 | 貸金業法の総量規制の例外規定 |
銀行 | 銀行によって違い多くは100万円以内 | 銀行の内規 |
まず消費者金融を利用する場合ですが、ほぼ一律に50万円以上の借り入れを希望する場合に提出を要求されます。
消費者金融の融資上限は貸金業法の総量規制と言う規定によって決まっていて、この規定によれば融資できるのは年収の1/3までとされています。
ただし例外規定として1業者あたり50万円まではこの規定が適用されないことになっています。
このため消費者金融では50万円が年収証明書の要不要の境目になっているというわけです。
銀行の場合は各行で違いがあり一定していない
銀行の場合にはこの総量規制に当たる法律上の規制はありません。だからと言って誰にでも高額融資をしてくれるわけでもありません。
中には300万円としているところもあるので、利用を考えている場合には調べておきましょう。
また複数のカードローンを持っているような銀行もたくさんありますが、そういったカードローンは同じ銀行であっても境目になる金額が違うことも有るので、十分注意してください。
ただし年収証明書が不要であっても、提出の必要が無いだけで消費者金融にしろ銀行にしろ、返済能力に対する審査が無いわけではありませんから、その点は誤解してはいけません。
審査過程によっては提出を要求される場合も有るので要注意
しかしこの境目の数字には注意が必要です。例えば消費者金融で50万円以内だから良いだろうと思って申込んだら年収証明書の提出を要求されたという人もいるのです。
これはやはり総量規制の規定によるもので、1業者当たり50万円となっていますが、さらに続けて複数業者を利用する場合、全部合わせて100万円までは総量規制の例外にするというようになっているためです。
つまり50万円以内の利用希望額であっても他業者からも借入れしていると、やはり確認の必要が生じるという事になるため年収証明書の提出を求められたという事です。
そうであれば他業者の利用は黙っていればよいと悪知恵を働かせる人もいますが、信用情報データベースを参照すれば誰がどの業者から借入れしているのかすぐに分かってしまうので、あまり悪いことは考えないようにしましょう。
銀行の場合には先ほど説明したように総量規制はありませんが、やはり他業者の利用は好みませんので、他業者を利用している場合には、返済能力を確認するため、年収証明書の提出を要求してくるかもしれません。
もしこういった理由が無かったとしても、金融機関が何らかの理由で必要と考えた場合は、年収証明書の提出を要求されますから、自分は提出は必要ないと考えていたとしても、慌てないように申込み前に準備だけはしておくべきでしょう。
申込時に申込情報と一緒に送付するのが基本!審査通過が利用条件
年収証明書の送付時期は金融機関により違いますが、申込時に申込み情報と一緒に送付する場合が多いようです。
したがってこういった金融機関で急ぎで利用したいという場合には、何らかの方法で画像データとして送れるようなところを探しておけばすぐに送付できることになります。
申し込み手続きがネット経由でも年収証明書などの送付を郵送で要求しているような場合には、審査終了まで数日を要することになりますから、急ぎの場合はあまりお勧めできません。
申込時の収入証明書送付方法は金融機関ごと確認が必要
カードローンの申込みは窓口や自動契約機が主流の時代から、現在ではパソコンやスマホといった文明の利器を使ってインターネット経由で行う方法が主流の時代に移ってきました。
しかし方法は電子化しましたが、実は金融取引に限らず、どんな分野でも未だに紙ベースで処理されている部分が残り、xx証明書というようなものは紙でやり取りしなければ安心できないという人がまだまだいます。
このため、カードローンの申込みにおいても金融機関ごとに年収証明書の送付方法に違いがあるのです。
そこでインターネット経由で申込み情報を送信する場合で、年収証明書の送り方として採用されているものを列挙してみます。
- 証明書類については郵送で送付する
- 申込み情報送信後、別途FAXで証明書類を送信する
- 予め証明書類のスキャナデータや写真データを作っておき申込み情報と一緒に送信する
- スマホを利用して申込み情報の入力途中でカメラ機能を使って証明書類の写真データを作り申込み情報と一緒に送信する
3番目と4番目の違いですが、3番目はカメラ機能の有無がはっきりしないパソコンのような場合を想定して、何らかの方法で予め電子データを作っておくことを前提としています。
これに対して4番目は、スマホのようにカメラ機能が前提にできる場合を想定していて、専用アプリを提供することで情報入力中に電子データを作るようになっています。
すぐに借りたい場合には画像で送付するところを探す
これをみれば分るように、方法によってすぐに金融機関に年収証明書が届くかどうかが分れます。
すぐに借りたいという場合には2番目以降の方法を利用するしかありません。
もし画像の扱いが苦手という場合には2番目のFAXを利用する方法が良いでしょう。
スマホの操作には慣れているという場合にお勧めなのが、4番目の専用アプリを使う方法です。画像の作成まで、アプリの指示に従って行えばいろいろ考えなくても、申し込みは完了してしまいます。
いずれの方法を使うにしても、金融機関が申込方法としてその方法を提供していなければ始まりません。
ですから、早く利用したいという場合には、何らかの方法で証明書類を電子的に送れる方法がサポートされていることを確認しておきましょう。
収入証明書の郵送を要求している場合には数日必要になる
地方のほうに行くと申込みはインターネット経由でできても証明書類は郵送という金融機関はよくあります。
こういった金融機関のカードローンではどうしても郵送する間、長ければ数日間は待たなければなりません。
もし近くにそういった金融機関しかないのであれば、最初から店舗に行くか、急ぎで利用しなければならないような状況に陥る前に、それを予想して早めに申し込んでおくなど、先々をよく考えるようにしておかなければなりません。
都市銀行などの大手銀行や大手消費者金融は、便利で迅速な方法を提供していますが、全国的に見ればまだまだそこまで至っていないところはたくさんあります。
日頃から自分の周りの金融機関に興味を持って、どんなサービス展開をしているのか程度の知識を持っておくことが必要なのかもしれませんね。
仮審査通過後に送付という形もある!本審査通過が利用条件
もう一つの送付時期としては審査が仮審査と本審査に分かれているような金融機関では、仮審査通過時に送付をさせる場合です。
この仮審査通過の連絡が来て、通過を喜んでいたとしても、仮審査時点の情報と年収証明書の情報に食い違いなどが発覚すれば、その時点で審査は終了して、カードローンは利用できません。
申込みをする場合には、その金融機関の審査の流れなどを含めて、申し込みから契約に至るまでの流れはどうなっているのかについて事前に理解しておくことが重要です。
審査が仮審査と本審査に分かれている場合がある
審査は大きく分けて次の3点で行われています。
- 申込者が本人であることの確認
- ローンの返済能力の確認
- 過去にさかのぼった信用力の確認
カードローンの場合、通常はこれらの審査を一気に行ってしまいますが、中には仮審査と本審査に分けて行っている場合が有ります。
仮審査と本審査の関係で誤解を生むのは”仮”と言っているため本審査に先立って審査項目の一部を試しに行っているような印象が有りますがそうではありません。
実際には仮審査の方で本人確認と返済能力の確認を行い、本審査で信用力の確認を行うというように、両方揃って初めて完全な審査になっています。
場合によっては審査項目はすべて終わり、契約前に年収証明書の提出を求めて最終確認をするという場合も有ります。
仮審査に通っていたとしても年収証明書の確認で落とされる事も有る
こういった2段構えの審査を行っている場合、仮審査通過の連絡後、何らかの方法で年収証明書を送付する必要が有りますが、この場合には電子的に送るというよりも郵送や直接店舗に行って本審査を受けるというところが多いようです。
また仮審査に通れば、ほぼ間違いなく本審査にも通るという伝説が有りますが、実際には本審査に入る前に年収証明書を確認する段階で落とされる可能性もゼロではないのです。
例えば申込み情報に入力する年収と年収証明書の数字が食い違っていたら、再度確認を求められ、合理的な説明ができなければ、その時点で審査は否決です。
ですからカードローンは契約が終了するまでは、気を抜いてはいけません。
申込みから契約までの流れをよく理解しておくことが重要
このようにカードローンには申込みから契約までの間、ちょっと複雑な過程で行われる場合があるのです。このためその間に書類の送付などが挟まってくると、思わぬ時間がかかる場合も出てくるわけです。
またホームページには迅速対応というような記述が見えるので、即日借入可能かと思いきや、迅速対応というのは2~3日中に対応すると言う意味だったりする場合もあります。
したがって、なるべく早く借入れしたいという場合には、そのカードローンの申込みから契約までどのような流れで行われ、どの時点でどんな方法で書類の送付、あるいはカードの送付が行われるか、予め確認しておくことが必要になるでしょう。
もしそんなことは面倒だと考えるのであれば、先ほど言ったように年収証明書などの必要書類を持って自動契約機や店舗窓口に行って申込んだほうが確実に早いはずです。
ここで、年収証明書を送付した後、いつごろからカードローンが利用できるのかについて纏めておきます。
- 利用開始は年収証明書の送付時期というよりも契約完了がいつになるかということが重要になる
- 年収証明書は必ず必要というものではなく希望利用額が一定額内であれば送付の必要は無い
- 年収証明書を申込み情報と一緒に送付する場合送付方法が審査期間に影響するため予め確認が必要である
- 審査が仮審査と本審査の2段階に分かれている場合仮審査通過時に年収証明書の送付を求められる場合があるなど手順が複雑なため予め手順を理解しておく必要が有る
カードローンは使い勝手が良くなければ使わなくなってしまうことも有るので、できれば利用開始時期に拘るよりも、余裕をもって様々な観点から使い勝手を追究してから申し込むことをお勧めします。