急な出費があった時や資金繰りが少し苦しい時に便利なのが、銀行や消費者金融のキャッシング。
実際に借り入れをしようと思った場合、看板やCMでよく目にする有名どころの企業にばかり注目しがちですよね。しかし、地域限定で営業していたりブラックリスト対象者にも積極的に融資を行うマイナーな貸金業者も数多く存在します。
マイナーだから信用性に欠けるということはありませんが、ヤミ金と思われる会社には注意しなければなりません。
ヤミ金の疑いがあるエイコーという会社の実態と、健全な貸金業者を見分けるコツについて解説いたします。
そもそも消費者金融って何?街金やサラ金とは違うの?
消費者金融と聞くと、怖い人が取り立てに来るシーンを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。確かに、漫画やドラマでは「借金=怖いもの」として描かれることが多いです。
そもそも消費者金融とはどういった業者なのか、街金やサラ金との違いはあるのか。この2点について、キャッシング初心者の方にも分かりやすいように説明します。
名称が違うだけで明確な違いはありません
消費者金融・街金・サラ金、それぞれの意味について簡単にまとめてみました。
消費者金融の事業内容は、金融サービスの提供です。利息制限法と出資法に基づく範囲内で金利を設定し、お金を貸してくれます。
かつて街金やサラ金と呼ばれていた貸金業者が消費者金融という名称に変わっただけで、基本的に全て同じものであると考えて構いません。
街金は店舗が市街地(街中)にあること、サラ金はサラリーマンを対象にした業者が多かったことから、そう呼ばれていたのです。これらの名称は主に1970年代に使われていました。
1980年代に入ると、高すぎる金利・多重債務・悪質な取り立てに苦しめられる利用者が増え、サラ金地獄という言葉が使われるようになりました。これによりサラ金のイメージが悪化、さらにOL・主婦・自営業者にも融資を始めたことがきっかけとなり、消費者金融という新しい名称の使用が積極的に進められ、現在に至ります。
つまり、貸金業者は時代背景に合わせて名称を変えながら営業を続けてきたというわけなのです。ちなみに、1960年代には団地金融や勤人信用貸とも呼ばれていました。
エイコー?栄光?名前は似てるけど全く違う会社です!
大手の消費者金融はきちんと法律に乗っ取って営業しているので、必要以上に神経質にならなくとも大丈夫です。しかし、マイナーな会社の中にはいわゆるヤミ金が紛れていることも否定できません。
ここから先は、ヤミ金と思われる「エイコー」と、よく似た名前の「栄光」という2つの会社を取り上げ、その実態について説明します。
紛らわしいので要注意!絶対間違えないで!
まず、カタカナ表記の「エイコー」についてですが、この会社を検索するとヤミ金に関する情報ばかりヒットします。公式サイトもなく、会社概要もほとんど不明で、判明しているのは電話番号くらいです。
スマートフォン向けのサイトはあるものの、そのサイトは現在閲覧できなくなっているようです。しかも、サイトに載っていたとされる会社の住所は某有名女子大学の所在地と同じであり、貸金業登録番号も実在しないものでした。住所と登録番号を偽っていたのは、違法に営業しているヤミ金だからと考えて間違いないでしょう。
エイコーを名乗る会社から融資を勧めるダイレクトメールが突然送られてきて、ついお金を借りたらジャンプ(利息だけを支払って元金の返済を延期すること)を繰り返されて借金がどんどん増えてしまい、弁護士が介入する事態にまで発展したという事例があるので注意してください。ジャンプは元金に対して多くの利息を取れるので、ヤミ金がよく使う手口です。
一方、漢字表記の「栄光」は横浜で35年間営業している正規の消費者金融です。融資に関する詳細を以下にまとめておきます。
金利 | 限度額 | 返済方法 |
---|---|---|
15.0% ~ 20.0% | 年収の3分の1以内 | 1~36回(最長3年)の元利均等払い |
知名度はかなり低いと思われますが、常に顧客第一主義をモットーとしており、大手企業並みのしっかりした社員教育を行っているとアピールしています。
貸金業登録番号はもちろん本物で、日本貸金業協会の正規会員です。また、公式サイトには詳細な返済早見表も載っており、利用者にとって非常に良心的です。
栄光のような小規模の消費者金融は大手よりも審査が甘く、会社によってはブラックリスト対象者にも融資を行うところがあります。それは、会社ごとに独自の審査基準を設けているからです。
小規模ながらも栄光が長年営業を続けてこられたのは、確かな融資実績と顧客からの厚い信頼があってこそと言えるでしょう。
意外と簡単!ヤミ金を見分ける4つの重要ポイント
「エイコー」は会社としての実体が存在しないヤミ金で、「栄光」は健全な会社であるということは、これまでの説明でお分かり頂けたかと思います。
無駄な借金に苦しめられることがないよう、ヤミ金を見分けるコツをお教えしますので、キャッシング初心者の方も、そうでない方も、今後のためにぜひ参考にしてください。
登録番号を確認しよう
都道府県や財務局から営業許可を得ている正規の業者は必ず貸金業登録番号を持っています。東京都であれば、「東京都知事(○)第○○○○○号」「関東財務局長(○)第○○○○○号」といった番号です。
ただし、ヤミ金の中には架空の番号を表示したり、実在する会社の番号を勝手に使っているところもあります。
怪しいと思ったら、金融庁のサイトの「登録貸金業情報検索」というサービスを利用してください。登録番号を入力することで業者の情報が調べられるので、もし検索にヒットしなければヤミ金であると考えてよいでしょう。
携帯電話の番号を載せている
貸金業を営む場合、必ず固定電話の番号を設置しなければなりません。これも法律で義務付けられていることであり、広告に携帯電話の番号を載せるのは禁止されています。
固定電話の番号を保有していない時点で完全に違法なので、連絡先が携帯電話のみの場合は確実にヤミ金です。
金利について明言しない
ヤミ金は金利についてわざと明言しないことがあります。具体的な数字を出すと、法外な金利で貸付をしていることがバレてしまうからです。
「○万円借りて返済は10日後に○万円」などと宣伝している場合は要注意です。金利といえば年利を指すのが一般的ですが、ヤミ金はそれを無視してトイチ(10日で1割)やトゴ(10日で5割)で貸付をします。
甘すぎる宣伝文句にご用心
「融資率100%」「審査なしで即日融資」「他店で断られた方大歓迎」「無職でも大丈夫」といった宣伝文句は怪しいです。
まっとうな業者はきちんと審査を行ったうえで、融資可能かどうかを判断します。
お金に困っている人の心理につけ込み、誰でも絶対に借りられることを強調しているだけなので、信用してはいけません。
ヤミ金に関わって後悔しないために
最後に、おさらいとまとめをします。
消費者金融も街金もサラ金も意味は同じであり、全て貸金業者のことです。小規模でマイナーな貸金業者の中には、違法業者のヤミ金もあります。
「エイコー」はヤミ金、「栄光」は良心的な正規の消費者金融なので間違えないようにしましょう。
甘い言葉に惑わされず、本当に信頼できる業者でのみ借り入れをしてください。