『ブラックリスト』誰もが聞いたことのある言葉でしょう。お金を借りたい人からすれば、1番恐れている言葉かもしれません。
よく「ブラックリストはいつ消えるの?」という質問を見かけます。とても気になる情報ですよね。
しかし、ブラックリストと一言で言っても様々なんです!そして、それぞれのブラックによって、審査への影響期間も変わってきます。また、ブラックとして登録される場所…これも1つではないんです!
様々なブラックの説明と、それぞれの場所にどれくらい保存され、審査に影響が出るのかを解説していきます。
ブラックリストの意味と、登録される機関を知ろう
ブラックリストとは何か。そして、ブラックリストが登録されている機関は3か所。1か所だけではないんです!まずはこの3か所の違いを知りましょう。
ブラックリストは存在しない!?ブラックリストとは
キャッシングに関する情報のページを見ていると、「ブラックリストなんてものはない!」と書いていたり、「ブラックリストはある!」と書いていたり…。どっちやねん!とツッコミたくなりますよね。
まず最初にブラックリストというものを理解するべきでしょう。結論から言いますと、『ブラックリストは存在しない!』が正しいです。では、何がブラックリストなのでしょう?
『リスト』なんて言うので、事故を起こした人を、ズラ~っとリストアップしてるのかな?なんて思いますよね。あなたが借金を踏み倒したらブラックリストに登録されるのではなく、あなたがブラックリストになるんです。
「う~ん??」ってなってる人も多いかと思います。要は、ブラックの人を集めたリストは存在しないんです。分かりやすく言うと、病院のカルテですね。
あなただけの情報が詰まったカルテに、『重病』と印を押された状態。キャッシングだと『ブラック』という印を押された状態を言うのです。この印を押された状態そのものが『ブラックリスト』なんです。
では、そのカルテはどこにあるのか?ですね。金融業界でいうカルテは大きく3種類。CIC、JICC、KSCがあります。この3種のカルテ(顧客情報・事故情報)を金融会社は共有しているのです。
CICってどんな機関?
『指定信用情報機関』のことを言います。クレジットカードや信販系の会社の情報機関です。
主に分割払いでお買い物をする時に、私たちがお世話になる会社と言えば分かりやすいですかね。クレジットカード会社や、通信販売会社がメインに加盟している情報機関です。
クレジットカードや信販会社のカード、通信販売の分割などで問題を起こしてしまった場合、最低でもCICにはブラックとして登録されることになります。
JICCってどんな機関?
『株式会社日本信用情報機構』のことを言います。消費者金融会社の情報機関です。
主にサラ金と呼ばれる、消費者金融が加盟している情報機関ですが、他にもその他の金融会社や、携帯会社なんかもここに加盟していることが多いようです。
消費者金融で問題を起こしてしまった場合や、携帯電話料金の未払い(強制解約など)があると、最低でもJICCにはブラックとして登録されることになります。
KSCってどんな機関?
『全国銀行個人信用情報センター』のことを言います。銀行や信用金庫の情報機関です。
主に銀行と信用金庫のみが加盟している情報機関ですが、クレジットカード会社や消費者金融会社も、KSCの信用情報を見る為に加盟していることもあるようです。
銀行カードローンはもちろんですが、キャッシングとは言いにくい住宅ローンなどでも、問題を起こしてしまった場合は、最低でもKSCにブラックとして登録されることになります。
また、CICやJICCとの違いとして、保証人が必要になるローンも多い銀行では、同時に保証人の信用情報もここに登録されています。
短期間で復活?軽度のブラックリスト
ブラックリストに登録されてしまっても、審査への影響が比較的短い期間で済む、軽度のブラックリストについて解説します。
申し込みブラックについて
一定期間内に必要以上に申し込みをし過ぎてしまう状態。目安として半年間に3回以上の申し込みをすれば、申し込みブラックになってしまう可能性がある。
同社に何度も申し込みを繰り返すのはもちろん、申し込みがあったという情報も、例え審査に落としても、契約をしていなかったとしても、信用情報として情報機関に残るので、複数社に申し込みを繰り返していても、ブラックになる可能性はあります。
CIC(クレジット) | JICC(消費者金融) | KSC(銀行) |
---|---|---|
6か月 | 6か月 | 6か月 |
申し込みブラックになった場合、全情報機関とも約半年でブラックは解消される様子です。最初の申し込みからではなく、最後の申し込みから約半年ということを注意しなければいけません。
延滞・滞納ブラックについて
毎月の返済日にキチンと返済を行わなった状態。連続3か月以上繰り返した場合や、返済のないまま連絡が取れなくなった場合などに、延滞・滞納ブラックになってしまう可能性がある。
時に急な出費が重なって、返済が困難になる月もあるかもしれませんよね。金融会社に返済に困っているという電話をするのは、どうも気が乗らないものです。だからと言って、連絡もなしに日が過ぎるのを待っていては、踏み倒しているのも同じ。後に返す意思があったとしてもです。
CIC(クレジット) | JICC(消費者金融) | KSC(銀行) |
---|---|---|
5年 | 1年 | 5年 |
上記の表は、延滞を解消してからの期間です。延滞・滞納を続けている状態であれば、いつまで経ってもブラックを解消されることはありません。
ブラックになってしまうと、もう利用はできなくなってしますが、返済を再開させた時点から、上記の表の期間でブラックは解消され、(延滞・滞納をした金融会社以外であれば)また利用できる可能性がでてきます。
申し込み・延滞・滞納はブラック回避も可能!
申し込みブラックは、必要以上に申し込みをしなければ回避可能です。充分に金融会社について調べ、「この会社から借りよう!」と決めていれば、むやみに申し込むこともないでしょう。
また、数社申し込みをすれば、どれかは審査に通る可能性も否定できないですが、1社でも審査に落ちるということは、少なからず何か理由があるということでもあります。1社、2社落ちた時点で、申し込みを繰り返すのではなく、諦めるというのも大切です。
延滞・滞納ブラックに関しては、あまり知られていませんが、毎月決まった返済日を逃してしまっても、2度目の返済日を設けてくれることも多いんです。要は、1か月内にある2度の返済日を超えなければ良いのです。
返済日を忘れてしまうこともあると思いますし、どうしても遅れて返済しなければいけない事情があることもあるでしょう。キチンと電話などで連絡をして説明すれば、多少の融通は聞いてくれることも多いですし、ブラックではなく、返済再開するまで休止状態で様子を見てくれることも多いです。
他のブラックとは違い、申し込みと延滞・滞納でのブラックは、余程のことがない限り、そう簡単にはブラックにはならないと思います。これでブラックになる人は、余程なんですよ。
長期間借り入れは不可能!重度のブラックリスト
ブラックリストへの登録を回避できない上に、何年もの間、借り入れをすることが不可能になってしまう、重度のブラックリストについて解説します。
代位弁済ブラックについて
お金を借りた本人が返済できない状態になり、本人でなく代わりのものに返済を要求し、返済してもらった状態。保証人や保証会社が返済を行った場合、代位弁済ブラックになる。
最近は保証人を付けるケースが稀になっており、金融会社が保証会社と契約をしています。よくキャッシングの申し込み条件などに、『保証会社から保証を得られる方』などと書かれていると思いますが、この保証会社が代位弁済をする会社です。
CIC(クレジット) | JICC(消費者金融) | KSC(銀行) |
---|---|---|
5年 | 5年 | 5年 |
代位弁済ブラックは、全信用機関とも約5年でブラック解消されます。こちらは、代位弁済をした時点から5年です。
要は、金融会社が保証会社に請求して、返済してもらった時点で、私たち利用者の返済義務はなくなりますよね。この時点で強制的に利用停止&ブラック登録され、ここから5年。
ただし、これは利用していた金融会社への返済義務はなくなりますが、保証会社への返済義務が発生するので、注意が必要です。代わりの人が借金を肩代わりしてくれたわけですが、本人は踏み倒しているのと同じですからね。しかも保証人ではなく保証会社なら、無関係な他人以上の関係。重度のブラックになります。
債務整理ブラックについて
払い過ぎた利息を請求したり、将来掛かると思われる利息をカットしたり、主に利息を圧縮し、総返済額を減らし、返済しやすく見直し、3年程度で完済できるようにした状態。返済は行うが、通常返済すべき利息をカットするので、債務整理ブラックになる。
利息をプラスして返済をする代わりに、私たちはお金を貸してもらっているわけですよね。元金さえ返せば問題ないようにも思いますが、利息を儲けとして商売をしているわけですし、それがお約束だったはずです。任意整理と言われることもあります。
CIC(クレジット) | JICC(消費者金融) | KSC(銀行) |
---|---|---|
5年+α | 5年 | 5年 |
債務整理をすると弁護士などに依頼した時点で、各金融会社に連絡が行きます。JICCとKSCは、この時点からブラック登録し約5年ですが、CICは少し遅れて登録する様です。なので、『+α』としています。まぁ、だいたい全部5年ですね。
「債務整理をする」と言った時点か、「債務整理が行われた」となった時点かという違い程度だと思うので、そんなに大差はないかと思います。元金はほぼ返済しますが、お約束を破った客なので、重度のブラックになります。
自己破産・民事再生ブラックについて
簡単に言えば、借金をチャラにしてもうら状態。家族や友人からの借り入れも含め、全ての借金をゼロにし、借金なしの生活を取り戻す為の、最終的な救済手段。金融会社(保証会社)に一切返済されなくなるので、ブラックになる。
例えば300万円ある借金を100万円に減らしてもらうなど、大幅に借金をカットして、返済を楽にしてもらっている状態。自己破産できない人、自己破産はしたくない人が行う、自己破産より少し負担が残る救済方法。利息だけでなく元金も大きくカットされ、返済されなくなるのでブラックとなる。
完全に借金のなくなる自己破産と、少しでも返済を行う民事再生は違うように見えますが、多くの場合、自己破産したいけど出来ない人が民事再生をするので、同じ部類になります。
簡単に言えば、自己破産すれば家や車など失う代わりに、借金はゼロ。民事再生にすれば、家や車などは手元に残せる代わりに、少し返済を頑張るという仕組み。(もちろん、他にもありますが省略します!)単にギャンブル等で自己破産不可と言われれば、次の手段である民事再生になります。
CIC(クレジット) | JICC(消費者金融) | KSC(銀行) |
---|---|---|
7年 | 10年 | 10年 |
CICは基本的にキャッシングではショッピングであり、そこまで大金を貸すということもないですよね。複数のクレカ持ってるとかなら別ですが、ショッピングだけで自己破産まで行くのは余程です。なので、少し優しい約7年。
現金貸し付け専門とも言えるJICCとKSCは、1番厳しい約10年というブラック期間です。これがブラックの中で1番厳しいものです。
10年を超えるブラックは無いですね。返済できないと気が付いているのに、債務整理や自己破産から逃げて、ダラダラダラダラと金融会社に迷惑を掛け続けている場合や、夜逃げ状態になれば、いつまでもブラックでしょうけれども…。
代位弁済・債務整理・自己破産・民事再生は回避不能!
代位弁済になるまでに、必ず金融会社から催促なり何なりの連絡があったはずです。たった1回、返済が遅れただけで、代位弁済に走るような金融会社はありません。
返済するという意思や、返済できないなら出来ないなりの説明を行わなかった場合、だからこそ代位弁済に走るわけですよね。返済する意思がない、踏み倒そうとしていると思われたなら、もう信用はないでしょうし、ブラックを回避することは不可能です。
債務整理・自己破産・民事再生は、金融会社から提案されるわけではありませんよね。私たち利用者自身が、返済ができない事実を認め、どうにかしようと行動した状態。借金の返済を放棄した状態です。ブラックは回避不能です。
代位弁済・債務整理・自己破産・民事再生は、ブラックの中でも重度のブラックであり、ブラック期間はもちろん、解除後も審査が厳しくなってしまうことも多いです。
ただし、「ブラックになりたくない」、「もう借りれないのは困る」なんてことで、借金の返済困難から逃げ続けるのは間違いです。無理な時は、救いの手を借りるのも良いのでは?
一生ブラックであるわけではないですよね。最悪、自己破産をしても約10年。少し頑張って債務整理で終えれば約5年。これでブラックではなくなるのなら、早めの決断をすることも考えなければいけないのでは?と思います。
多くの金融機関はCICとJICC、2社と契約している
CIC(クレジット)、JICC(消費者金融)、KSC(銀行)の3種の信用情報機関は、各ブラックにより登録される期間が違う場合もあることが分かったと思います。
自己破産の場合、CICなら約7年、他2社なら約10年。これだけを見れば、クレジットカードを原因に自己破産をすれば、消費者金融などで自己破産をするよりも、3年も早くブラックではなくなる!そう思いますよね。
しかし、多くの金融会社は、CIC、JICC、KSCの中の2社以上と加盟(契約)しています。クレジットカード会社なら、CICはもちろん加盟しているでしょう。他にJICCかKSCのどちらか、または両方にも加盟しているんです。
銀行でない限り、ほとんどの場合はCICとJICCの2社に加盟して、審査時に両信用情報機関をチェックしている様子ですね。大手になれば3社ともというのも多いかもしれません。
ただし、この場合、CICではブラックでなくなっているのは確実な情報であるわですから、自己破産から7年は経過しているという証拠でもあります。ここまでくれば、多少なり融資を考えてくれる金融会社も出てくるかもしれません。
ブラックになると、借りたい時や、借りなくてはいけない事情がある時にも、金融会社からの借り入れはできなくなってしまいます。できるだけブラックにならないようにしていきたいですね。