自分はブラックだからと言って借入れを諦めている人も多く、中には借入れが必要になって困っている場合もあるでしょう。
しかしブラックという定義は曖昧で審査基準によってはブラック扱いにならない金融機関もあるのです。中には信用力の評価を甘くして積極的にブラック対応を行っている業者もあって、決して借入れを諦める必要はないのです。
ではこういったブラック対応業者をどうやって選べばよいのでしょうか。また借入れする前に再度ブラック扱いされるような状況にならないよう、返済能力についての評価方法についても考えてみましょう。
ブラックとは何か?絶対に借りられない状態とは言えない
自分はブラックと考えている人も、話を聞いてみるとブラックというのがどのような状態なのかという事を理解していないことが多々あります。
そこでまずブラックについて説明して行きますから、実際の審査では金融機関の判断次第の部分があることを理解しておきましょう。
ブラックになる理由を理解しておこう
ではブラックというのはどのような状態なのかについて説明していきます。ブラックは漠然とした理解によれば、どの金融機関に行ってもローンは審査で落とされる状態とされています。
では審査ではどのようなことが行われているのでしょうか。主な項目は次の3点です。
- 申込者が本人であることを確認すること
- 返済するだけの安定した一定以上の収入があること
- 返済してもらえることを信じられるだけの信用力があること
ブラックに関係してくるのが3番目の信用力の評価の部分です。この部分の審査では信用情報データベースが参照され、この中に返済を疑わせるような内容の記載がある場合には、審査に落とすことになります。
ブラックという名前が付いたのはこの信用情報データベース内にブラックリストがあって、その中に名前が記載されてしまうと、どこも貸してくれなくなるという一種の伝説のようなものが信じられたためです。
しかし実際にはそのようなブラックリストは存在しておらず、審査での判断は信用情報データベース内にある申込者の情報を金融機関の持つ審査基準に照らして貸す貸さないの判断をそれぞれ独自に行っているだけです。
要はブラックリストではなく、申込者の情報の中に金融機関が共通して避けたい情報が記載されているために、どこに行っても貸してくれない状態になっているという事です。
では金融機関が共通して避けたいと考える情報というのはどのようなものでしょうか。それを次の表にブラックの分類とともに示します。
ブラックの分類 | 避けたいと考える情報 | 記載される期間 |
---|---|---|
金融ブラック | 過去のローン返済の滞納 | 5年間 |
金融ブラック | 過去の各種支払いの滞納 | 5年間 |
金融ブラック | 債務整理 | 10年間 |
申込ブラック | ローンの審査落ち | 6カ月を超えない期間 |
要するに支払うべきものを支払ってないか、あるいは他の金融機関のローンを申し込んだが審査に落ちた場合と言って良いでしょう。
ブラックの人、あるいははっきりブラックとは思っていないが貸して貰えない人は、この中に当てはまるものがないか考えてみてください。
審査基準はカードローンごとに違ってくる
そこでカードローンを例に話を進めましょう。カードローンの審査の主な項目も先ほど示した3点です。
ただし実際の審査でチェックされることになる審査基準は、各金融機関や保証会社が長年の経験から纏め上げた、この3点を様々な方向から検証する沢山のチェック項目からできています。
この審査基準はその金融機関のノウハウであり、他の金融機関と共有するようなことは有りませんから、それぞれで違っています。この違いが同じ人がある金融機関では審査に通るのに、別の金融機関では審査に通らないことがある理由です。
ですからブラックと言っても決して金融機関が一枚岩になってるというわけではないのです。確かに過去に滞納などがあれば可能性は低くはなりますが、審査基準が違えば審査に通る可能性が無いとは言えません。
例えば銀行審査が厳しく、その系列に入っている大手消費者金融も審査基準が似通っているため審査通過は難しいですが、独立系の大手消費者金融であるアイフルなら非常に可能性は低いとはいえブラックでも通ることがあると言われています。
あえて信用力の評価を甘くしている業者も存在する
カードローンと言う枠で考えれば銀行か大手消費者金融かという話になりますから、審査通過は難しいと言えますが、もう少し話を広げてキャッシングという範囲で考えてみましょう。
中小の消費者金融はカードローンを展開するほどの力はありませんが、振込による融資を行っています。こういった小規模の金融業者の場合、以前から大手業者よりも審査は緩いと言われていました。
ではブラックへの対応はどうかという話になりますが、以前はこういった業者でもブラックには貸さないというのが普通でした。
しかし、ここ10年ぐらいの間に状況は大きく変化しています。切っ掛けはまず銀行がカードローンに参入したことです。利用者の多くが安心感のある銀行に流れたのは言うまでもありません。
さらに貸金業法が改正になって、以前のような高い金利がつけられなくなったり、総量規制と言って、融資するためには収入が前提になることが法的に決められたため、消費者金融は貸しにくく、儲けにくい状況になりました。
実際この時にそれまであった消費者金融は一斉に経営危機を迎え、大手は銀行の傘下に入り、中小は半数が消えたと言われています。
そうした中で中小は利用者を獲得するために特徴を出さざるを得なくなり、その中からブラック対応という特徴を選択した業者が出現しました。
今ではその数も増えて、消費者金融の中でもブラック対応という分類ができているほどになっています。
銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの各業界毎に利用者情報をデータベース化して共有するデータメース。特に金融機関に都合が悪い情報は業界間でも共有される仕組みになっている。
ブラック対応業者を選ぶ!業者探しの注意点
そこでブラックでも借りられる可能性のある業者をどのように探したらよいのかを説明していきます。
こういった業者を利用するときに注意しなければならないのは、同じようにブラックの人に対しても貸している非正規業者としっかり区別することです。
そういった業者の見分け方についても理解しておきましょう。
ブラック対応業者を探す方法
探す方法を早く教えろと言う人も多いかもしれませんが、探す方法は簡単です。現在ではインターネットが発達して、利用者獲得のために消費者金融各社は殆どがホームページを持っています。
もちろんここで説明するブラック対応の消費者金融も例外ではなく、殆どの業者にホームページがあります。しかもインターネット上にはこういった業者を利用した人たちの口コミ情報もたくさん掲載されています。
そこで検索サイトを利用してブラック対応と検索すれば全国のブラック対応消費者金融の情報を見ることができます。
こういった業者は主に大都市かその周辺に店舗を構えています。利用者の数から言ってそうならざるを得ないでしょう。このため地方の人にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、今ではインターネット経由で幾らでも情報を集められるわけです。
この情報を利用して、例えば自分の近くの業者を探しても良いですし、あるいはなるべく有利な条件のところを探しても良いでしょう。
申込条件を確認して申込もう
業者の目星を付けたら、必ず申込条件を確認してください。先ほど説明した通り、こういった業者は小規模業者が多く、営業範囲を近隣に絞っている場合があります。
また近隣に絞っていなくても、申込時には来店を要求している場合もあります。こういった場合全国から申し込めたとしても、事実上近隣に絞っているという事です。
ただ来店を要求している業者がなぜそのような条件を付けているのかというと、申込みに当たって、申込者がどういった状況なのかをよく聞くためです。
業者によっては、話の内容によっては通常審査に落としてしまうような場合でも、あえて通してくれるようなところもあります。小規模業者のこういった柔軟性は大変重要なことだと思います。
ですから、もしブラック対応の業者が近くに有ったら、その業者を調べて、よさそうなら相談に行くのも良い方法です。
非正規業者をどうやって見分けるか
ただし、こういった小規模業者を利用する場合、正規業者と非正規業者の見分けが難しいという問題点があります。非正規業者とは俗にいう闇金のことです。
この2つはどこが違うかというと、正規業者は貸金業法を遵守し登録を受けているのに対し、非正規業者は法律を逃れ未登録のまま、金融業を行っています。
そこでこの違いを利用して、事前に業者を見分け闇金の罠に掛らないようにしましょう。
その方法ですが、正規業者は登録されてるわけですから、その登録情報が確認できればその業者は正規業者という事ができます。
まず業者側の情報はホームページを見れば登録番号など必要な情報が表示されているはずです。
次に登録された情報ですが、これは金融庁の貸金業データベースを検索することにより調べることができます。
貸金業データベースはインターネット上に公開されており、インターネットの利用環境があれば、いつでも誰でも検索する事ができます。
この業者側が公開している情報と登録情報が一致すれば確認できたということです。
貸金業データベースで業者情報を表示したら、次の情報が一致しているかを比べてみてください。
- 業者名
- 代表者名
- 登録番号
- 所在地
- 電話番号
非正規業者も利用者を騙すためには、これ等の情報を示す必要がありますから、非正規業者のホームページにもこれらの情報を表示しています。
しかしそれは別業者のものをそれらしく表示しているだけです。場合によってはホームページを丸ごと真似ているような場合もあります。
しかしこういった非正規業者も連絡先である電話番号は自分のところに変更していますから、その点で食い違いが生じます。したがってこれ等の情報をすべて確認すれば、業者の見分けができる訳です。
安易な利用は厳禁!事前の返済力評価が重要
利用したい業者を決めたらどうしますか。すぐに申込むという人が多いでしょう。しかし焦ってはいけません。思い出してほしいのは自分がブラックになったという事実です。
全部とは言いませんが、ブラックになる人には特徴があり、一度ブラックになった人が、また同じような過程を経て同じような状況を繰り返すことが知られています。
そこで安易に申込みを行うのは止めて、申込み前に行っておくべきことについて考えていきましょう。
ブラックになる人には傾向がある
ブラックになるという人は、ブラックになって例えば5年経過してブラックの原因となっていた情報が信用情報データベースから消えた後、お金を借りて、再度同じような状況に陥って再びブラックになってしまうという事がよくあります。
もちろんそうでない人も多いですが、統計的にそういった傾向が有るのだそうです。
なぜそうなるのかという原因については次のようなことが言われています。
- 借りたお金に対して返済しなければならないという考えが希薄
- 返済のことまで考えず直面している問題を回避することだけを考えてしまう
- 買い物依存症など精神的な病気を抱えている
- 性格的にお金の管理ができない
精神的な病気がある場合には、周囲の人が注意して借入れを防ぎ、心療内科などで医療的な対応が必要です。また性格的な原因がある場合もカウンセリングなどを受けるべき状態と言えます。
ブラックの人は自分がどれかに当て嵌まっている場合には、再度の借入れは余程注意しなければなりません。
返済能力を評価する方法とは
では何を注意すれば良いのでしょうか。借入れするからには必ず返済が必要です。そこでブラックの人に限った話ではないのですが、借入れする前には必ず返済の可能性を探ってから借りるようにしましょう。
そのためは返済計画を立てるのが最も良い方法です。そこでまず借入れした場合の月々の返済額と返済期間を計算してください。多くの業者ではホームページに返済シミュレーターが用意されていますので、それを利用しましょう。
返済期間が分かったらその期間中の各月の自分の収支を予想してください。こういう場合収入で評価しようとすることが多いですが、それではあてになりません。
例えば月収100万円あったとしても支出も100万円あったら、返済に回せるお金は出て来なくなってしまいます。ですから収支が重要なのです。
会社員であれば収入を予想するのはそれ程難しく無いでしょうが、支出の予想は難しいでしょう。ブラックの人は先ほどのような理由で、自分のお金について上手に把握することができない人が多いので、特に難しいと考えられます。
家計簿等があれば良いですが、無い場合には一カ月でもよいので実際の支出を記録してみましょう。できれば1年前まで遡って季節変動なども把握できるとさらに正確な予想を立てることができるはずです。
返済期間中の収支が予想出来たら、月々の黒字分で返済できるのかどうかを調べましょう。もし足りない月があるのであれば、支出予想を見直して、支出を減らします。減らせなければ借入れもできません。
完済まで問題がなくなったら、期間中の収入予想と、支出内容を返済計画として纏めてください。
返済中には毎月返済が計画通りに進んでいるかを確認して、計画から逸脱した場合には、すぐに計画を修正して、常に返済できる状態の計画にしておくことが重要になります。
返済が難しいと評価したら借入れしてはいけない
もしこの返済計画を立てる段階で、どうしても返済できるだけの黒字を出すことができなければ、それは返済が難しいという事です。
しかし、そんなことをしても返済が行き詰まるのは目に見えている事は冷静に考えれば分ると思います。
こういう場合には絶対に借入れを行ってはいけません。
お金に困ってくると冷静な判断が難しくなるのはやむを得ないことですので、返済計画を立てる場合には自分だけで考えるのではなく誰かに手伝ってもらって判断する事を勧めます。
借りられない時もある!そういう場合に取り得る手段
ブラック対応業者があってよかったと思うのは早合点です。こういった業者は審査で信用力についての評価は甘いですが、そのほかは他業者と同じ様な審査を行います。
したがって必ず審査に通るわけではありません。もし審査に落ちた場合にはどうすれば良いでしょう。改めて他業者を狙うべきでしょうか。ここでは審査に落ちた場合を考えていくことにしましょう。
他業者を探すよりも断念すべき時もある
審査に落ちてしまったら、多くの場合には他業者に向かいます。しかし、先ほど説明したように審査落ちした場合、申込ブラックとして扱われます。
申込ブラックというのは期間が6か月を超えない期間となっていて、他業者に回っても審査に落ちた時期に近いためたとえブラック対応業者であっても何か問題があることを疑い、審査で蹴られる可能性が極めて高いのです。
他業者で借入れを模索するよりも、一度借入れを断念して、改めて自分自身の返済能力を評価してみる必要があります。
生活費に困っているような場合には生活保護も視野に
もし借り入れの目的が生活費で、今現在生活に困ってるような場合には、借り入れを考えるのではなくて、生活の立て直しを考えなければなりません。
そのためにはまず自治体に相談することが必要です。自治体の判断になりますが、場合によっては一時的に生活保護の受給も必要になるはずです。
生活保護に抵抗感がある人も多いですが、困った時に助け合うために国が作った制度ですから、日本国民として利用しても何ら問題はありません。
生活保護目的に入国してくる外国人に使われるよりも、使われ方から見たとしてもずっと歓迎すべきものではないでしょうか。
闇金に手を出してはいけない
申込ブラックでブラック対応業者からも借入れできない状態になると、危険なことが分かっていても、より借入れのハードルが低い闇金をついつい利用してしまう人がいます。
しかし当然返済に行き詰ってしまい、厳しい取り立てに直面して様々な悲劇を生む可能性さえ出てきます。
もしお金に困った状態になったら、まずは先ほど言ったように行政に相談したり、弁護士の無料相談に行ったり、そこまでしなくてもまずは周囲に相談してみるだけでも、道は開けるものです。
自分一人だけで考えていると、だんだん精神的に追い詰められていきますから、一人でくよくよするのは止めて、言い方は悪いですが他の人を巻き込んで、知恵を合わせるようにすることが必要です。
ここでブラックの状態で借入れを成功させるにはどうすれば良いか纏めておきます。
- ブラックは業者によって判断が違ってくるため借入可能業者も存在する
- ブラック対応業者を探す場合には申込条件を確認し非正規業者を選ばないように注意する
- 返済能力を評価し返済が可能なことを確認してから申込む
- ブラック対応業者でも審査落ちの可能性は有りその場合には借入れの断念が必要な場合もある
自分の返済能力を客観的に評価して上手に借入れできるようにしてください。