UCSカードと言われても分らない人もいるかもしれませんが、ユニーグループの金融サービス会社であるUCSが発行するクレジットカードです。
殆どのクレジットカードは審査さえ通過すればショッピング機能のほかにキャッシング機能を備えていて、このUCSカードも例外ではありません。
キャッシングと言えばカードローンを思い出しますが、UCSカードのキャッシング機能と比較したときどちらがどのように得になるのかについて調べ、そのうえでどういった利用場面の場合にどちらを使うべきかを考えることにしましょう。
ユニーグループのUCSカードとは?キャッシング機能を理解する
ユニーグループは現在ではユニーグループ・ホールディングスという持ち株会社の傘下にある企業群のことを指します。この中には総合スーパーのユニーやコンビニ業界4位のサークルKサンクス等を含んでいます。
このグループにある金融会社UCSが発行しているUCSカードをグループ内企業で利用すればポイントなどの特典プログラムを利用できるようになっています。
またUCSカードのキャッシング枠はショッピング枠も含めた総合枠という考え方を取っており、利用する前に理解しておくようにしましょう。
UCSカードはポイント付きクレジットカード
ハウスカードというものをご存知でしょうか。ハウスカードはある企業あるいは企業グループ内だけで利用できるクレジットカードのことを言います。通常はその企業や企業グループのポイントプログラムのポイントカードを兼ねています。
UCSカードの場合、ユニーグループのハウスカードという性格を持っていますが、その上に最近では普通になった国際カードと提携することによって、日本国内はもとより世界中の提携店で利用することができます。
どこでも利用できて、そのうえユニーグループ内であればポイントもついてお得な利用ができるという訳です。
このUCSカードは3つの枠という概念があります。まず総合枠というものがあり、これは利用できる大枠を決めたものでノーマルカードで最大50万円、ゴールドカードで200万円となっていて、審査で決定します。
次に割賦枠というものがあり、ショッピングをした際に分割で返済できる枠を言います。クレジットカードの基本は翌月の一括払いですが、最近では分割払いもできるということが売りになっている面もあって、多くのクレジットカードで分割払いが用意されています。
最後がキャッシング枠でキャッシングに利用できる金額です。このキャッシングも一括払いのほか分割払いにも対応しています。
割賦枠、キャッシング枠共に総合枠内で設定されています。
UCSカードのキャッシング機能
ではUCSカードのキャッシング機能をもう少し詳しく見るため、主な仕様を次に示します。
利用方法 | ATM、電話での振込依頼、インターネットからの振込依頼 |
---|---|
利用可能ATM | 全国のコンビニ、銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫など |
ATMの利用手数料 | 1万円まで108円、一万円超216円 |
利用可能額 | キャッシング枠内(1万円~90万円) |
金利 | 18.0% |
返済方式 | 一括払い、残高スライド定額方式、元利均等定額方式、元金均等定額方式 |
担保・保証人 | 不要 |
借入残高を何段階かに分けて、大きければ返済額も大きく、小さければ返済額も少なくなる方式。
元利均等定額方式
元金の返済分と利息を合わせて月々の返済額が一定になる方式で、世間一般でリボルビング払いとかリボ払いとか言われるもの。
元金均等定額方式
元金の返済分を月々一定にするもので、残る元金は月々減っていくため利息が徐々に減り元金返済分と利息を合わせた月々の返済額は一定にはならない。実はこれもリボ払いの一種で、リボ払いというのは何を一定にするかで他にも何種類かある。
カードローンとUCSカードを比較する!どっちが得?
キャッシングだけに焦点を当ててみれば、カードでお金を借りられる仕掛けと言えばカードローンがまず挙げられます。
考えなければいけないのは、利用するとすればどちらが良いのかという点で、迷う人も多いのではないでしょうか。
そこでまずカードローンとUCSカードのキャッシング機能の使い勝手を比較してみましょう。使い勝手が悪ければ、利用を始めてもそのうち使わなくなってしまうものです。
またキャッシングは返済方法にも注意が必要です。返済が面倒だったり、返済方式によっては損になる場合もあるのです。
さらに損得で考えるのであれば金利も現在だけでなく、将来どうなるかという点も含めて検討しておかなければなりません。
使い勝手はそれほどの違いはない
まず使い勝手ですが、多くの人の主な利用方法はATMからの利用が圧倒的だと思います。カードローンもUCSカードも全国の銀行やコンビニで同じように利用できますからこの点では大きな差はありません。
しかしATM利用において違う点があります。カードローンの場合、少なくとも運営する銀行や消費者金融の自前のATMがあり、営業時間内に、これを利用すれば手数料は掛りません。
カードローンにもよりますが提携先のATM利用でも手数料を肩代わりしてくれるところもあります。
108円ぐらいしょうがないと思う人もいますが、特に少額の借り入れの場合、利息も少額ですから、利息よりも手数料のほうが高いというおかしな事になってしまうのです。
カードローンに対抗するためには、利用方法、回数をよく考えなければなりません。
返済方法はよく理解しておく必要がある
先ほど説明したように、UCSカードには何種類かの返済方式が用意されています。返済方式で気を付けなければならないのは俗にいうリボ払いである元利均等定額払いの場合です。
カードローンでは、銀行の場合は残高スライド定額方式が採用され、消費者金融の場合には元利均等定額払いが採用されているのものが多くなっています。
なぜ元利均等定額方式に気を付けなければならないのかというと、この方式の場合、利息が他の方式よりも増える可能性があるためです。
理由は借入残高が大きくなってくると、利息も大きくなりますが、返済額が月々一定になっている為、元金の返済分が減ってしまいます。
そのため翌月もあまり減らなかった元金で計算してまた高い利息を支払うという悪循環になり、返済がなかなか進まず返済期間が長くなって、利息だけがどんどん膨らむ為です。
この方式は返済額が一定で利用者には返済の見通しが立てやすく良い方式に見えますが、利息が増えるという点でみれば金融機関の方も嬉しい方式なのです。
したがってカードローンもUCSカードも利用する場合には返済方式をよく考えて損のないものを選ぶ必要があります。
金利を比較して損得を考えてみよう
次に金利を比較してみましょう。一般的なカードローンとUCSカードのキャッシングの金利の比較を示します。
カードローン(みずほ銀行) | 3.5%~14.0% |
---|---|
カードローン(アコム) | 4.7%~18.0% |
UCSカード | 18.0% |
カードローンの場合利用限度額と金利はほぼ連動していて、申込時点では信用が小さいため利用限度額も低額となり、多くの場合金利は最大金利が適用になります。
このため金利で比較した場合、契約時点では消費者金融とUCSカードは互角、銀行のカードローンではUCSカードのほうが不利という事になります。
UCSカードのキャッシングの利用場面を考える!便利さと損得
次にキャッシングの利用場面を考え、カードローンとUCSカードの便利さと損得を検討してみましょう。
そこでここでは、通常はキャッシングは利用しないが、まず困った時の用心として持っている、あるいはキャッシングはたまにしか利用しないという場合、2つ目にキャッシンを日常よく利用する場合、最後に海外でもキャッシングを利用する場合に分けて考えてみることにします。
それぞれを理解して使い分ければ便利にお得に使えるはずです。
たまにしか利用しない人の場合
キャッシングというのは現在では生活ツールの一つに数えられるほど、多くの人が利用していますが、実際にはキャッシングは利用したことが無い、あるいはキャッシング機能を持ったカードはあるが数えるほどしか使っていないという人はもっと多数です。
要するにお金は借りないという人は多いのです。それでもクレジットカードは便利なので大部分の人が持っています。
このように使ったとしてもたまにしか利用しないという人の場合、通常はショッピングだけに利用し、緊急事態になった時だけキャッシングを利用できれば良いという人には、UCSカードのようなポイントがたまるクレジットカードがお勧めできます。
頻繁に借入れが必要な人の場合
これに対して生活上キャッシングは必須機能で、毎月よく利用するか利用する予定だという人の場合、やはり損得計算をすれば、銀行系のカードローンのほうが利息が少なく、お得に利用できます。
また将来的なことを考えれば、カードローンであれば条件さえ整えば利用限度額が増やせ、同時に金利が下がって行くことを考えれば、消費者金融のカードローンであっても金利が下がる余地のないUCSカードよりもお勧めできます。
ただし、条件が良くなって更に利用額が増えれば返済に支障が出る危険も増しますから、それほど大きな利用枠の無いUCSカードをあえて選んで、利用を抑制するという考え方もできますので、自分の使い方をよく見越して選んではいかがでしょうか。
海外でキャッシングが必要な人の場合
次に海外へ行く場合を考えてみましょう。最近ではあまり現金を持ち歩かずクレジットカードでショッピングをしますが、場所によっては現金が必要になる場合もあるので、現地で現地通貨を調達することを考えてみます。
現金は持ち歩かないといってもこういう場合を考えて多少の日本円を持っていく人も多く、この場合必要に応じて現地で現地通貨に両替します。日本円はハードカレンシーと言って国際的に信用され現地通貨と直接両替できるのでこの点便利です。
これに対してカードローンの利用は大変難しくなります。
この点でUCSカードに軍配が上がりますが、ここでは更に現地で日本円を両替する場合と比較しておきましょう。
現金調達方法 | 問題点 |
---|---|
日本円の両替 | 手数料が非常に高い |
クレジットカードのキャッシング | 借入れになるため利息を取られる |
要するに手数料よりも利息が大きいのか小さいのかによってどちらを選択すれば良いのかが決まります。
したがって、海外の滞在期間が短く帰国後すぐに返済できれば、UCSカードを利用したほうがお得と考えてよいでしょう。
近くにユニーグループが無い場合!流通系カードを探してみよう
ここまでUCSカードについて調べてきましたが、自分の近くにはユニーグループのお店が無く、UCSカードを利用してもポイントが利用できず、単なるクレジットカードにしかならないという人もいるでしょう。
そういう場合には、まず日常よく利用しているスーパーに行ってどのようなカードが利用できるのか調べてみましょう。キャッシングを利用するのであればその点についてもよく確認してください。
場合によってはカードローンのほうが勧められたり、あるいはカードを持たないという選択肢も検討する必要があります。
キャッシング機能を確認する
利用しているお店によってはポイント機能だけという場合もあるので、そういう場合にはキャッシングは無理ということです。
もしクレジットカード機能が付いているのであれば、他のクレジットカードを利用するよりもポイントが付く分、お得な利用ができ特に主婦の皆さんにはお勧めできるでしょう。
そういったカードであれば、日頃利用しなくてもキャッシング機能について次を確認しておきましょう。
- 利用枠
- 金利
- 借入方法
- ATMの利用手数料
- 返済方式
- 海外利用の可否
- 利用枠の増額の可否と方法
これ等を踏まえて、キャッシングはどう使えばお得に使えるのかという事を考えてみてください。
利用方法を勘案して必要性があればカードローンを用意する
重要なことは一般にクレジットカードのキャッシングのほうが金利が高いという事をよく覚えておくことです。
最初は滅多に利用しなかったキャッシングでも徐々に利用頻度が多くなってしまうと常に借入残高が残っているような状態になります。そうなってしまうとクレジットカードのキャッシングを使っていては大損です。
常に自分の利用方法を検討し、利息などを勘案して、利用回数増加中のどこか適切な時点にキャッシングをカードローンに切り替えることができるように、あらかじめ目安を考えておきましょう。
日頃からクレジットカードの利用を続けていると、そのまま使い続けて、見直しなど面倒で行わない人が多く、知らず知らず損失になっている場合があるため、少なくとも月に1回は利用状況の分析を行う癖をつけるようにしてください。
カードを用意しないという選択もある
もう一つの方向性としてはクレジットカードは持たないというものです。スーパーのポイントプログラムは利用しなければもったいないのでそのためのポイントカードの利用は良いですが、ショッピングは現金で行い、キャッシングの利用もしないという選択です。
人間には様々な性格を持っている人がいて、それで多様性を保っているのですが、時として依存症になって際限なく買い物を続けてしまったり、多額のキャッシングをしたりしてしまう人もいます。
そこまでいかなくても、とにかく買わなくても良いものを買ってしまったり、借りなくても良いのに借りて贅沢に走ってしまうような人がいて、悪くすれば破産に追い込まれる場合もあります。
そこで考えてほしいのは自分の性格をよく見極めるという事です。自分はキャッシングができれば枠いっぱいに使ってしまうというような悪く言えばお金にルーズな性格だったり、お金の管理ができないという人はクレジットカードの利用は危険です。
そういう危険性のある人は、最初からカードを持たず、自分の収入の範囲内で上手に生活することを追究する事を勧めます。
ここでUCSカードのキャッシングについて纏めておきます。
- キャッシングを利用する前に機能をよく理解しておく必要がある。
- キャッシングとカードローンのそれぞれの違いを理解し機能面と利用場面などを比較しどちらの利用が得なのかを考える必要がある
- ユニーグループが無い場合には日頃利用するスーパーのクレジットカードについて機能を検討する
カードというのは利用者次第で便利にお得に利用できるものです。上手に利用する方法を常に考えながら使いましょう。