ブラックと言えば金融業界では要注意人物を指しキャッシングなどは利用できないとされていますが、実際にはブラックに定義などは無く金融機関それぞれ通常の審査を行って貸す貸さないを決めています。
たとえば大手消費者金融の場合、大部分は銀行の傘下に入っている為、審査では独自色が出しにくく借入れは難しいですが、独立系の業者では可能性が全くないとは言えません。
また中小の業者の中にはブラック対応をうたい文句に利用者を集めているところもあって、こういった業者を利用すれば、借入れできる可能性は高まります。
諦めて闇金の罠にはまるよりも、諦めず利用できる業者を探しましょう。
審査の内容はそれぞれ違う!横並びにブラックになるわけではない
信用情報中のブラックリストに名前が載ると、その後お金を貸して貰えなくなるという本当か嘘かわからないような話が流布しています。
ただブラックという言葉が指すお金を借りられない状態というのは本当にあるようで、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には審査を通すか通さないかを決めるのは金融機関であり、それぞれの審査基準によって審査されているわけですから、正確に言えばすべて横並びで審査に落ちるという事はなさそうです。
そこでブラックと呼ばれる人でも審査に通るのか探っていきましょう。
信用情報にはブラックリストなんて存在しない
まずブラックという名前の由来になっている信用情報中のブラックリストの存在ですが、これは明確に否定されています。
信用情報は利用者各々毎に金融取引等の情報が格納されており、利用者をひとまとまりにしてリスト化したような格納方法ではありません。
したがって金融機関が審査する場合には、ブラックリストを参照するようなことは無く、あくまで申込んできた利用者の情報を参照して判断するという通常の審査をしているだけなのです。
ブラックという名前が独り歩きしてしまっていますが、それは単にお金が借りにくい状態になった人を指しているだけで、情報管理的に特別扱いされているわけではないのです。
銀行や消費者金融、クレジットカードなどの各業界が、利用者の情報を業界内で共有するために作ったデータベース。
通常の情報は業界ごとに個別に管理していますが、ブラックと判定されるような問題情報はデータベース間で共有されるようになっている。
審査に通るかどうかは審査基準によって決まる
では個別の情報を用いてどのように審査されているのかというと、まずは申込条件を満たしているのかどうかがチェックされた後、次の項目が確認されることになります。
- 申込者が本人であることの確認
- 返済能力が備わっていることの確認
- 信用に問題が無いかの確認
これ等の項目について、金融機関あるいは保証会社がそれまでの経験から作り上げた審査基準を用いてチェックしているのが審査という事になります。
ブラックに当たるかどうかのチェックは3つ目の信用についてのチェックに含まれ、この時点で信用情報が参照されることになります。
ブラックと判定される原因を次の表に纏めます。
ブラックの種類 | ブラックの原因 | 信用情報に記載される期間 |
---|---|---|
金融ブラック | ローン等の返済の滞納あるいは各種支払いの滞納 | 5年 |
金融ブラック | 債務整理 | 10年 |
申込ブラック | ローン申込みの審査落ち | 6か月を超えない期間 |
これ等に該当する場合には、ブラックと判定されて申込者が本人で返済能力があったとしても信用力の面で不安があるという事で審査に落とされるわけです。
ただしこれはあくまで審査基準上そういう判定基準があるという前提の話です。
審査基準は各金融機関のノウハウのため共有されるようなものではありませんから、当然ブラックの判定でも差が出てくることになります。
金融機関の審査の難易度
この判定の差が審査結果の違いや金融機関の難易度となって現れてくることになります。
次の表は一般的に考えられている金融機関の審査での難易度です。
金融機関 | 難易度 |
---|---|
銀行 | 高 |
大手消費者金融 | 中 |
中小消費者金融 | 低 |
闇金 | 極低 |
もちろん例外もあってそれぞれの金融機関を個別に見ていく必要が有りますが、概ねこのような認識になっています。
もし審査基準がすべて横並びなら、ブラックの場合、中小消費者金融でも審査に落とされ、もう闇金しか残っていないという状態という事になります。
しかし先ほど説明したように審査はそれぞれ違いますから、難易度の高い銀行は無理にしても、消費者金融によってはブラックと考える場合とそうは考えない場合が出てくる可能性があります。
したがって自分はブラックだと思っている人も、ブラック扱いされない消費者金融が無いとは言えません。
少ないながら可能性有り?大手消費者金融の審査とは
可能性が見えてきたところで、次に問題になるのが、では具体的にどういった消費者金融なら貸して貰えるのだろうかということです。
利用者の中にはできればよく名前を聞く大手から借りたいという人もいるでしょう。もちろん、大手消費者金融は銀行についで難易度が高く、ブラックと呼ばれる人たちにはかなり難しくなります。
しかも消費者金融業界は法改正などで厳しい状態が続いており、大手消費者金融も軒並み銀行の傘下に入ってしまったため、審査も独自審査とはいかず銀行の意向をくんだものになってしまい、この点もブラックには厳しいものになっています。
しかし中には銀行の傘下に入らず、現在でも独自審査を行って他では無理という人も、審査に通っている例があるのです。
消費者金融の置かれた現状
以前はキャッシングと言えば消費者金融の独壇場だったのですが、そこに銀行がカードローンで参入してきたため、利用者は消費者金融から銀行に流れるようになりました。
ただこの銀行のカードローン参入では、銀行は大手消費者金融と提携しそれまでノウハウの無かった信用保証業務を委託したため、大手消費者金融も融資だけではなく信用保証業務でも利益が出るようになり、大手消費者金融にとっても悪い話ばかりではありませんでした。
ところが近年行われた貸金業法の改正で、消費者金融には総量規制と呼ばれる融資枠の上限が設けられたり、上限金利が実質上下げられてしまい商売がやりにくくなってしまいました。
この法改正によって消費者金融は軒並み経営に行き詰り、バタバタと倒れて、当時の消費者金融の半数は消えてしまったのです。この経営危機は中小だけでなく大手消費者金融にも及ぶことになります。
そこで困ったのが銀行で、せっかく業務を委託してカードローンが軌道に乗ったのに、倒れられてしまってはカードローンが提供できなくなってしまいます。
この危機を乗り切るため、銀行は提携先の消費者金融に資本を注入して子会社化し、経営を安定させることになりました。
このため現在大手と言われる消費者金融のほとんどは銀行の傘下に入ることになってしまったのです。
直近の改正では、従来過剰な融資が行われパチンコ依存症に陥るなど様々な問題が指摘されたため、融資枠を年収の3分の1までにする総量規制が設けらた。
また従来法律間で食い違いがあった上限金利について、低いほうの金利に合わせることが明示され、消費者金融が用いていた高いほうの金利が利用できなくなって、貸出金利が引き下げられた。
大部分は銀行の系列子会社で独自色は出し難い
しかしこれは審査にも影響することになります。先ほど審査では各金融機関独自の審査基準を用いて行われると説明しました。もちろん現在でもそうなっていますが、銀行の傘下に入ったことで審査基準にも銀行の影響が及ぶことになります。
銀行というのは非常に信用を重んじるため、その子会社であっても銀行にとって信用上問題があると考えられる人においそれとは貸すことはできないのです。
もちろん銀行のカードローンよりも系列の消費者金融のほうが難易度は低くしますが、そうかといってブラックに当たるような人には貸せないと判断せざるを得ない訳です。
このため銀行の傘下にある消費者金融の審査基準はそういった信用を問うような面ではある程度横並びにならざるを得ず、従来貸し出していたような人にも貸せなくなってしまったという例が沢山出ています。
アイフルは系列に入っておらず独自審査を行っている
ただし、これはあくまで銀行の傘下に入った大手消費者金融の場合の話です。大手と言われる消費者金融の中で唯一独立を守っているアイフルでは事情は異なります。
いろいろと問題があり、一時はやはり経営危機と言われたアイフルですが、銀行の傘下には入らず、現在独立を保ったまま経営を再建中です。
もちろんアイフルであっても信用情報に問題がある人に簡単には貸しませんが、独自審査で実際に通ったという例も少なからずあります。
ただし、それなら自分も申込もうという人もいるかもしれませんが、あくまで可能性は他よりも高いというだけで、審査に落とされることも考えておく必要が有ります。
審査に落ちた場合、先ほどブラックの種類のところで示した申込ブラックという状態になりますから、他を狙うにしても更に状況が悪化することは避けられない事もよく理解しておきましょう。
ブラック対応とは?ブラックでも貸す消費者金融がある!
このように可能性は無いとは言えませんが、大手になるとやはり厳しいのは間違いありません。ではより現実的な所という事で中小の消費者金融はどうでしょうか。
中小は大手以上に生き残りに必死で、特徴を出して利用者を獲得しようとしています。その特徴の中にブラック対応という業者があります。
これ等の業者は文字通りブラックでも、審査に通しましょうという業者で、その数も増加傾向にあります。
こういった業者は申込方法が様々で、場合によっては申込みが難しい例もありますから、探す場合にはまず最初に申込方法を調べ、自分にも利用できるかどうか確認してください。
中小消費者金融の生き残り戦略
大手消費者金融は銀行の傘下に入ることで危機を回避しましたが、もっと深刻だったのは経営基盤のぜい弱な中小の消費者金融でした。
当時これらの消費者金融は軒並み消えていき、現在では債権の管理会社として残っているだけというところも少なくありません。
しかし、すべてが消えていったというわけではありませんし、その後立ち上げた新しい消費者金融も沢山出来てきています。
こういった現在も経営している消費者金融と消えてしまった消費者金融はどこが違ったのでしょうか。それは利用者を引き付ける特徴を持っていたかどうかという点です。
経営規模が小さくても、そこでしか利用できないサービス等があれば、利用者はそれを狙って申し込みをしてくるものです。そういったものを見つけたところが生き残ったという事です。
その利用者を引き付けた特徴の一つがブラック対応というものです。要するに言葉通り、ブラックの人でも貸しますよという消費者金融が現れてきたわけです。
ブラックの場合、他ではほとんど断られてしまうわけですから、こういう業者が現れれば目を引きますし、申し込みは殺到したはずです。
当初はそんなことは危なくてできないと思ったのか、そういう業者は少なかったのですが、現在では消費者金融の分類上の一項目に挙げられる程度に数を増やし、大都市近郊には必ずと言って良いほど存在しています。
しかもインターネットの発達で、消費者金融の利用もネット上から行える時代になっている為、ブラック対応業者が無い地域からでも利用することが可能になりました。
このように中小消費者金融も知恵を絞って生き残っているわけです。
利用する場合にはまず申込方法を確認しよう
それならさっそく申込んでみようという人も多いと思いますが、業者を見つけるときに最初に行ってほしいことがあります。
それは申込方法の確認です。実はブラック対応の業者ではインターネット上で利用者を募っているのですが、申込みの時点で一度来店して話をすることを条件にしている場合が結構あります。
こういう場合、事実上地域限定でしか利用できないという事です。
このため良さそうな業者だと思って色々と調べて、申し込もうとして店舗に行かなければならないことが分かり、距離的に無理だとわかるというパターンが発生しています。
こういう業者は、良さそうに見えても調べるだけ時間の無駄になってしまいますから、まずはその点を確認して、業者を探すようにしてください。
そこで遠隔地から都市部近郊にあるブラック対応業者を利用する場合の条件をまとめておきましょう。
- インターネット上から情報が確認できる
- 申込みはインターネット上あるいは電話だけで行う事ができる
ブラック対応でも誰でも貸すという事ではない
ただし注意が必要なのは、ブラック対応という事が誰にでも貸すという事にはならないことです。
こういった業者の場合、先ほど示した審査項目の内、本人確認と返済能力の確認は通常通り行い、信用については審査を緩めるというだけの話です。
したがって、当たり前のことですが返済能力が伴っていなければ審査には落ちます。
またブラック対応業者が問題視する項目として申込ブラックが有ります。申込ブラックは情報の掲載期間が先ほど示したように6か月を超えない期間となっており、掲載されているとしたら新しい情報です。
このため、直前に問題が発生していると捉える為、巻き込まれないように警戒されてしまうわけです。ですから申込ブラックの場合も審査に落とされる可能性が高くなります。
闇金は見分けられる!利用しないための確認方法とは
このようにブラックと呼ばれる状態になっても、融資してくれる消費者金融は存在するのです。
ただ問題なのは、中小の消費者金融は闇金と見分けが難しいという点です。正規の業者を装って利用者をだますのが闇金の常套手段ですから十分気を付けなければなりません。
そこでどのように正規業者と闇金を見極めるかについて、考えていくことにしましょう。
また場合によってはブラック対応業者であっても審査に落ちることもあります。この時安易に闇金を利用するのではなく、どのような方法があるのかについても考えてみることにしましょう。
正規業者と闇金は外目には見分けがつかない
さて中小消費者金融を利用するときに注意が必要なのが闇金です。たとえば街中を見てみましょう。都市部になると、街中に○○金融とか××ファイナンスというような看板をよく見かけますが、どれが正規業者で、どれが闇金なのか分りますか。外見からは分らないのが普通です。
リアル世界でこれですから、バーチャル世界であるインターネットのホームページを見ただけでは、まったく区別はつきません。もっと言えば目を引くために闇金のほうが立派なホームページを用意している場合もあります。
こう考えてしまうと、ブラック対応の消費者金融と言っても、何か闇金を見分ける方法を持たなければ、危なくて安易な利用はできないことになってしまいます。
正規業者ならインターネットを利用して確認可能
こういった危険性があり、実際に被害も出ていたことから、利用者のほうもインターネットを利用することによって、その業者が正規の業者かどうかを見分けることができる仕掛けが用意されています。
これは正規の消費者金融であれば、必ず行政のほうに登録されているという事を使います。この登録情報を確認すれば利用しようとしている業者が正規業者なのか闇金なのかを見分けることができます。
そんな情報は役所に行かないと見られないのではと言われそうですが、実は登録情報はインターネット上に公開されています。それは金融庁のホームページにある貸金業データベースです。
このデータベースは登録されたすべての消費者金融のデータが入っていて、インターネットの接続環境が有れば誰でも検索することが可能です。
利用予定の消費者金融が決まったら、このデータベースを利用して次の情報を検索・確認してみてください。
- 消費者金融名
- 代表者名
- 登録番号
- 所在地住所
- 電話番号
たとえばよく使われる手法として、電話番号だけを闇金側のものに替えてその他の情報はすべて実際にある業者のものを利用しているという闇金があります。騙されないように十分注意してください。
審査に落とされもう借入先が無い場合の対処方法
ここまで説明してきたようにブラックの場合であっても闇金を使わず正規業者からキャッシングができる可能性は十分有る事が分かりました。
しかしこれらには審査があり、すべての人が通る保証などありはしません。審査に落とされる人も当然出てくるものです。そうした場合どうすれば良いでしょうか。
もう借りられる正規業者は無いので、闇金に行くという最悪の選択をしてしまう瞬間でもあります。ここではその他の方法を探ってみましょう。
ブラック対応業者で審査に落とされる可能性としては次の点が考えられます。
- 申込ブラックの場合
- そもそも返済能力が不足している場合
申込ブラックの場合には最大でも6か月経過すれば信用情報の記載は無くなりますから、それまで待つしかありません。
また返済能力が無いのに借入れしてしまったら、当然返済途中で行き詰ってしまいますから、最悪自己破産という事になって、ブラックの期間がさらに延びてしまう事になってしまいます。
したがってこの場合お金を借りてはいけません。返済能力が無いという事は、収入が少ないという事ですから、自分ではなかなか解決できない問題です。
この場合収入が一定以上になるまで支援を仰ぐしかありません。まずは家族を当たりますが、無理な場合には役所に相談してみましょう。
役所で相談すれば展望が開ける場合もありますし、当面収入増が見込めないのであれば生活保護の申請も視野に入れるしかありません。
また例えば自営業者などで収入が少ない原因が事業がうまくいっていないという話であれば、事業資金を借入れ事業のテコ入れをするという方法もあります。
この場合も民間の金融業者からの融資は難しいでしょうから日本政策金融公庫などの公的な機関に相談して融資をお願いしてみましょう。様々な融資制度が用意されているので、利用できるものがある筈です。
ここで闇金しか利用できそうにない人のキャッシング利用の可能性について纏めておきます。
- 金融機関の審査内容はそれぞれ違い横並びでブラック扱いされるわけではない
- 大手消費者金融でば銀行の傘下に入っていない独自審査を行っているところなら可能性有り
- 中小消費者金融の中にはブラック対応業者があり全国から利用できる業者もある
- 闇金は貸金業データベースを利用すれば見分けられる
お金を借りる場合にはブラックでも諦める必要はありませんが、常に自分の返済能力を念頭に置いて、返済可能な範囲で借りることを心掛けましょう。